子供乗せ電動アシスト自転車ってどんなもの?

子供乗せ電動アシスト自転車とは、その名の通り子供を乗せて走ることができる電動自転車のことで、坂道でも軽快に走れるアシスト付きの電動自転車と、重心が低く子供を乗せても走行安定性に優れている子乗せ自転車が組み合わさった自転車です。

前と後ろのチャイルドシートに子供を乗せて、大人1人と子供2人の最大3人乗りができます。

普通の電動自転車にチャイルドシートを付けて子供を乗せたらダメなの?

別に子供乗せ専用じゃなくても、普通の電動アシスト付き自転車や電動なしの普通のママチャリなんかにチャイルドシートを後付けして、子供を乗せてもいいんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。

ですが、子供乗せ専用ではない自転車に乗せていいのは子供1人までで、強度や安定・安全性の問題もあり2人乗せることはできません。
子供を2人乗せてもいい子供乗せタイプの自転車には、BAA(安全・環境基準適合車)の「幼児2人同時乗車適合車」という規格が一般社団法人自転車協会によって定められており、BAA(幼児2人同時乗車適合車)マークのない自転車に子供を2人乗せると道路交通法違反となります。(※1人ならOK)

参考)
自転車の新しい安全基準 BAA|一般社団法人自転車協会
一般社団法人 自転車協会

また、子供乗せ電動アシスト自転車には、3人乗って良いというだけでなく、幼児を乗せても安心・安全に乗れるように設計されており、子供乗せに特化しているならではの特徴・メリットがあります。

子供乗せタイプならではの特徴・メリット

ハンドルロックができるので子供の乗せ降ろしがしやすい

フロントのチャイルドシートに子供を乗せ降ろしする際に、ハンドルが左右に傾かないようにロックする機能がついています。

メーカーによってロックの仕方は違います。

ヤマハとブリジストンは「テモトデロック」と言って、ハンドル部分にロックスイッチが付いているので、両手でハンドルを持ったままハンドルロックをかけることができます。

パナソニックの場合、「スタピタ」と言ってスタンドを立てると自動でハンドルロックがかかるようになっています。

子供を2人乗せても走行安定性や安全性が高く設計されている

普通の電動自転車にチャイルドシートを後付けする場合と違い、子供を乗せることを前提に設計されているので、子供を1~2人乗せて走った際の走行安定性が違います。

全体的に低重心に設計されているので、走っているときはもちろん、子供の乗せ降ろしの際にも安定感があります。

フロントシートやリアシートに子供を乗せているときでもハンドルがふらつきにくいです。
タイヤは通常の自転車よりも太めになっており、どっしりと安定感があります。

子供2人を乗せると30キロ近い重量になるのでブレーキの制動力も重要です。
ヤマハやブリジストンの一部車種には「スマートコントロールブレーキ」といって、少しの力で短い距離でしっかり止まるフロントブレーキがついています。

以上のように、子供を乗せても安心・安全なように様々な機能がついています。

子供を乗せたままでもスタンドがたてやすい

子乗せタイプのスタンドは幅が広くなっており安定感があり、てこの原理を利用して軽く踏むだけで簡単にスタンドを立てられるようになっています。

逆にこんなデメリットもあり

一方、子乗せタイプはメリットだけではなく、デメリットもあります。

とにかく重くて大きい

子乗せ電動自転車はタイヤも太く、太く頑丈なフレームが使われているためとにかく重いです。
車種にもよりますが、だいたい30キロ前後あります。

普段、乗るときは電動アシストが働いてくれるので重さは気になりませんが、狭い駐輪場などで少し持ち上げて取り回ししないといけないときなどは小回りもきかないし重いしで大変です。

万が一、出先でバッテリーの充電が切れてしまった場合、子供2人を乗せていると重くてアシストなしではとても漕げないので、自転車を押して帰るなんてことになりますが、押すのもめちゃくちゃ大変です。

また、普通の自転車よりもがっしりしている上にチャイルドシートもついているので大きくけっこうかさばります。
マンションなどの共有の駐輪場などの場合、かなりの場所を占有することになるので、ちょっと気を遣います。

使えない駐輪場がある

タイヤが通常の自転車よりも太いため、駅前やスーパーなどの駐輪場によくあるラック式(レール式)の駐輪場にタイヤが入らず駐輪できない場合があります。

また、ヤマハのPAS Kiss mini(パス キス ミニ)など、一部車種には前輪のホイール部分に車速センサー(スピードセンサー)がついているものがあり、センサーが駐輪場のレール部分に接触して、破損・故障するというトラブルが起こっています。

特にタイヤサイズが20インチなどの小径車の場合には注意が必要です。

購入前には、よく使っている・よく使うことになるであろう駐輪場に駐輪できるかどうか確認する必要があります。

数年でバッテリーの交換が必要になる

電動アシスト自転車のバッテリーは充電・放電を繰り返すことによって劣化し、徐々に容量が少なくなっていきます。
満充電にしても以前よりも走行できる距離は短くなってすぐに充電がなくなると感じるようになると、バッテリーの寿命が近づいていると言えます。

バッテリーの寿命がどれくらいか?というのは、使用状況や保存状態、走行状態、気温、充電のしかたなどによって異なるために一概には言えません。

メーカー発表の数値によると、バッテリーは700~900回の充電で新品時の容量の半分になります。
週1回の充電とすると700回充電するには700週必要となり、700週は約160ヶ月なので13年かかる計算になります。

しかし、これはかなり特殊な環境での目安値なので実際のところは、だいたい3~5年で交換になる方が多いです。
参考)特殊な環境:ヤマハの場合、新品バッテリー、環境温度25℃で、満充電からアシスト停止まで標準パターンで走行し、専用充電器で満充電まで充電を行うことを1充電として。

バッテリーの価格は車種や容量によっても違いますが、だいたい3~4万円です。

価格が高い

子供乗せ電動自転車は、安いものでも7万円以上、高いものになると15万円以上してきます。
子供が小さい数年間のためにそこまでの高額な自転車を買う必要があるのかどうか?が悩ましいところです。

子供を乗せられる条件ってどんな感じ?

何歳から何歳まで乗せられるの?

BAAの「幼児2人同乗基準適合車」(幼児同乗用自転車)マーク付きに限らず、自転車に乗せることのできる子供の年齢は6歳未満(5歳以下)と道路交通法施行細則によって都道府県によって定められています。
また何歳からというのは特に法律では定められていません。

ですので法的には6歳未満であれば生まれたばかりの赤ん坊でも自転車に乗せることが可能です。

ただし、首も据わっていないような赤ちゃんをチャイルドシートに座らせるのは現実的ではないですね^^;
よってヤマハやパナソニック、ブリジストンなどの各メーカーでは首も腰も据わって安定してお座りのできる年齢として1歳以上からの利用を指定しています。

また、フロントシートの場合、1歳~4歳未満、リアシートの場合、1歳~6歳未満と各メーカーが定めています。
※後ろシートは2歳以上を推奨

ちなみに道路交通法施行細則によると、自転車に幼児を乗せる場合、幼児用座席に座らせるか、エルゴなどの抱っこ紐(おんぶ紐)などで確実に背負う(おんぶする)こととされているので、必ずしも幼児用シートが必須というわけではありません。
前に抱っこするのはNGです。

さらに東京都や神奈川県など一部都道府県では、BAAの「幼児2人同乗基準適合車」ではない普通の自転車であっても、子供1人をチャイルドシートに座らせ、もう1人をおんぶしていれば、計3人乗車してもよいという地域もあります。

とはいえバランスを崩しやすいですし、もし転倒すれば赤ちゃんが大けがをする危険もあるので、あまり無理はしない方がいいとは思います。

身長・体重制限は?

特に法律では定められていませんが、各メーカーが独自に制限を定めています。

フロントチャイルドシート 体重15kg以下、身長100cm
リヤチャイルドシート 体重22kg以下、身長115cm

まとめ

以上、子供乗せ電動アシスト自転車がどのようなものか伝わったでしょうか?

周りのママ友から便利だから買った方がいいよ~と勧められたり、そろそろ幼稚園や保育園への送迎が出てくるから必要かな?と考えている方も多いと思います。

一方、かなり高額な買い物になるので「本当に必要かな?」「どの車種を選べばいいのか?」と悩んでいる方も多いかと思います。

当サイトでは、そのような方のためのお役立ちコンテンツをどんどん更新していきますのでお楽しみに!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント