子供用ヘルメットの選び方と正しい使い方。主なブランド・商品ラインアップなど

子ども乗せ自転車に子供を乗せる場合、子供にヘルメットを被らせることが道路交通法で義務化されています。
努力義務となっているので違反しても罰則等はありませんが、万が一の事故や転倒から子供を守るためにしっかりと安全なヘルメットを用意してあげて正しく使うようにしたいところです。

ヘルメットの構造と種類

子供用の自転車ヘルメットの構造は大人用のヘルメットと同じです。
外側の硬い部分を外殻(シェル部)と呼び、事故や転倒時に頭部への道路など衝撃物への直接接触を避けます。
また、滑りをよくすることで首への負担も軽くしています。
内側(ライナー)の柔らかい部分はスポンジ部と呼び、衝撃吸収材(発泡スチロール)により頭部への衝撃力を弱めます。

外殻にはABS樹脂やカーボン(炭素繊維強化樹脂)を使ったハードシェルタイプと、プラスチック(ポリカーボネイト樹脂やポリエチレン樹脂)を使ったソフトシェルタイプがあります。

ハードシェルは硬くて頑丈ですが重いです。
ソフトシェルは軽量なので首への負担が軽いです。

乳幼児時期は重たいハードシェルタイプだと自転車の揺れで頭が揺れて首へも負担がかかるので、軽いソフトシェルタイプがおすすめです。

ヘルメットは発砲スチロールのおかげで冬場でも蒸れやすいため、ベンチレーションと呼ばれる通気孔があいています。
また通気孔から虫が侵入することを防ぐネットが付いているタイプもあります。

失敗しない!子ども用ヘルメットの選び方・買い方

安全基準を満たしたタイプを選ぶこと

バイクに乗る場合はPSCマークという安全規格を満たしたヘルメットを被らないと公道を走れないなんて話もありますが、自転車の場合はそもそもヘルメットを被ること自体義務化されていません。(子どもにかぶせることは努力義務という形で義務化されています。)

ですので、特にどんなヘルメットじゃないといけないという法的な決まりはありません。

ですが、万が一に備えて、乳幼児用のベビーヘルメット、児童用のキッズヘルメットなど子ども用のヘルメットには、きちんとした安全基準を満たした製品を選ぶようにしましょう。

安全基準の目安は、SGマークが付いていることです。
SGマークとは、一般財団法人製品安全協会が定めている規格で、厳しい検査を通過して製品安全協会の基準に合格した製品に付けられるマークで、その製品が安全であること保証する目印となります。

万が一、SGマーク付きの製品の欠陥が元で人身傷害が発生した場合の賠償制度もついています。(SGマーク被害者救済制度)

SGマークは任意基準となるので、法律で必ず取得・表示することを定められているわけではありませんので、SGマークのないヘルメットでも販売・陳列ができるます。
必ず購入前にはSG規格を満たしているかどうか確認するようにしましょう。

欧米からの輸入品ヘルメットの注意点

最近ではおしゃれなデザインの欧米からの輸入品の子ども用ヘルメットも人気です。
SGマークは日本国内の安全基準なので輸入品のヘルメットにはSGマークが付いていないものも多いです。
輸入品でも申請して検査をパスすればSGマークを取得できますので、輸入品でもSGマーク付きのヘルメットもありますが、SGマーク無しのものも混在している状態です。

しかしながら、欧米にもヘルメットの安全基準があり、ヨーロッパだと1997年にEU加盟の18ヵ国によって規定されたヨーロッパの安全規格「CE EN1078」、いわゆるCEマークがあります。

CEマーク

アメリカでは、CSPC(米国消費者製品安全委員会)が子ども向け自転車用ヘルメットの安全性を定めています。(CPSC 16 CFRパート1203)

欧米の安全基準の方が日本より厳しいと言われたりしていますが、安全性で言えば、SG、CE、CSPCのどれかを満たしていれば大丈夫と言えます。
しかしながら、欧米メーカーのヘルメットは西洋人の頭の骨格や形状に合わせた作りになっていて日本人の頭の形にはフィットしないケースもあります。

一般的に欧米人は頭の左右幅が短く前後に長い楕円形が多く、日本人は左右幅が長く前後に短い円形が多いです。
そのため楕円形の頭の形状に合わせたヘルメットを日本人がかぶると、左右のサイズがキツくなってしまい、前後に不要なスペースができます。

頭の形状やサイズが合っていないヘルメットだと頭部への衝撃を十分に吸収・分散することができず安全性が低下してしまう恐れがあります。

国産品にしても輸入品にしても、児童・乳幼児の頭の形状、骨格、サイズに合ったヘルメットを選んであげるようにしましょう。

子供の頭囲を測った上で適したサイズを選ぶこと

ヘルメットにはサイズがあり、だいたい「46cm~50cm」のような感じで頭囲のサイズで記載されています。(サイズの幅はアジャスターで調整できるようになっている。)
XSやSなどという表記の場合もありますが、その場合でもXSは「46cm~50cm」という感じで基準サイズがあります。
子どもの頭囲を計測した上で適したサイズのヘルメットを選ぶようにしましょう。

どうせすぐに大きくなるからと大きめサイズを買いたくなるかもしれませんが、ヘルメットが大きいと万が一の事故時にヘルメット内で頭が回転してしまい脳しんとうのリスクが大きくなり危険です。(脳にかかるせん断応力が大きくなるため)

頭囲の測り方

メジャーやひもなどを用意し、額と後頭部の一番出っ張っている部分と、耳のすぐ上を通るラインの長さを測ります。
それが頭囲です。

必ず試着すること

同じ年齢でも頭囲の大きさには個人差があり、また頭の形状も違います。
ヘルメットのメーカー(特に国産品と輸入品)では、ヘルメットの形状も違いますので、表記サイズでは分からないフィット感を試着することで確認することができます。

ネット通販など試着できない場合

近所にベビーヘルメット、キッズヘルメットを売っているお店がない地域は多いです。
オンラインショップの方が気軽に豊富な品揃えの中から選ぶことができるので、ネット通販で購入したいという方も多いこととでしょう。

ネット通販で購入する場合、サイズが合わない場合は返品可能か、また返品の際の条件を事前によく確認してから購入するようにしましょう。

子どもが喜んでかぶってくれるデザイン、形状、キャラクターを選ぶ

いくら安全性が高くても子どもが嫌がって脱ぎたがったり、かぶってくれないと大変です。

お店に見にいって「どれがいい?」と自分で選ばせてあげたり、子どもの好きな色やキャラクターのタイプにしたりなど子ども自身が気に入るヘルメットを買うようにしましょう。

無地のタイプを購入して子どもと一緒にシールなどでデコレーションしてもいいかもしれませんね。

自治体の補助があるかどうか確認する

子乗せ自転車に乳幼児を乗せる場合、乳幼児用ヘルメットを着用させることが義務化された関係で、子ども用ヘルメットの購入時に補助金を出す自治体も増えてきています。

もしお住まいの地域の自治体が補助金を出しているならぜひ忘れずに手続きをしておきましょう。
自治体によっても違いますが、約2,000円程度の補助金を出す自治体が多いようです。

主なブランド・メーカーと特徴、ラインナップ

国内ブランド

nicco(ニコ)

クミカ工業という愛知県のメーカーが販売している子ども向けヘルメットブランド。
SGマーク取得済みです。

ides(アイデス)

幼児用三輪車や子ども用自転車など子供乗り物などを開発・製造している東京のメーカーです。
SG規格適合で、アナと雪の女王やミニーマウス、スターウォーズなど子供が好きなキャラクターのヘルメットが充実しています。

OGK KABUTO(オージーケーカブト)

大阪の老舗ヘルメットメーカーです。
プロ仕様から子供向けのチャイルドメットまで徹底的に安全性とデザイン性にこだわった商品ラインナップとなっています。
SG基準適合です。

ジョイパレット

アンパンマン、プリキュア、妖怪ウォッチ、きかんしゃトーマスなど子供に人気のアニメやキャラクターの子ども用ヘルメット『カブロヘルメット』を製造・販売しているメーカーです。
amazonや楽天、ヤフーショッピングなどの通販サイトや、トイザらスやイオン、イトーヨーカドーなどで販売されています。
SG基準適合です。

TETE

゛子どもがかぶりたい 子どもにかぶせたい ヘルメット ”をコンセプトに子ども向けのかわいいデザインのヘルメットを製造している徳島県のメーカーです。
ヘルメットブランドは、2007年キッズデザイン賞を受賞した「Splash Heart(スプラッシュハート)」を筆頭に乳幼児・児童向けに多数展開しています。

solano(そらの)

シックなカラー、デザインが魅力の国産ブランド。

海外ブランド

NUTCASE(ナットケース)

アメリカのブランドですが、全商品SGマーク取得済みです。
アメリカのストリート系ファッションを彷彿とさせるおしゃれなデザインが魅力です。

LAZER(レイザー)

ベルギー発祥の自転車ヘルメットメーカーです。
プロ向けの競技用ヘルメットからMTB、ロードバイク向けはもちろん、1~10歳くらいまで向けのベビーヘルメット、キッズヘルメットも豊富です。

ヨーロッパの安全規格「CE規格」を満たしています。

BELL(ベル)

1923年にアメリカ・カリフォルニア発祥のヘルメットメーカー。

GIRO(ジロ)

1985年アメリカ・ロサンゼルス発祥のヘルメットブランド。

YAKKAY(ヤッカイ)

デンマーク生まれの安全性とデザイン性を兼ね備えたヘルメットブランド。

安全にヘルメットを使うために

子ども用ヘルメットの正しい着用・脱着のしかた

ヘルメットは正しくかぶらないと万が一の事故の際に頭への衝撃から守ることができません。
お子さんの命を守るためにしっかりと正しいかぶり方を身につけておきましょう。

ヘルメットは水平にかぶる

おでこは出ないように深くかぶります。
横から見て水平になるようにかぶります。

画像出典:hanasawa.com

サイズを調整してぴったりフィットさせる

子ども用ヘルメットには、サイズを調整させるためのアジャスター、サイズ調整パッドがついています。
ヘルメットを被った後でヘルメットが前後左右にグラグラ動く場合はサイズ調整パッドで調整してジャストフィットさせましょう。

アゴヒモはしっかりとめる

アゴヒモをしっかり留めていないと万が一の事故の際に、ヘルメットが脱げてしまいますので、緩すぎず締めすぎず、指が1本入るくらいに調整してバックルを留めます。

ヘルメットは消耗品と心得る。使用期間の目安は2~3年

ヘルメットのの緩衝材に使われている発砲スチロールの衝撃吸収性が時間の経過により劣化します。
使用状況にもよりますがだいたい3年が交換の目安とされています。

また子どもの成長は非常に早いので多くの場合、交換目安の3年を待たずにサイズが合わなくなり交換を余儀なくされるはずです。
ヘルメットはサイズがフィットしていることが非常に重要なので、マメにサイズが合っているか確認してあげるようにして買い替えてあげましょう。

まとめ

以上、子ども乗せ自転車に子どもを乗せる場合のヘルメットの選び方、使い方、主なブランドや商品ラインナップでした。

ヘルメットを嫌がる子も多いですが、万が一、事故に巻き込まれたり転倒した場合、シートベルトで固定されている分、ダイレクトに頭部を直撃します。
運良く怪我で済めばいいですが、障害が残ってしまったり、最悪、命をなくしてしまう危険性も高まります。

かっこいい!かわいい!とおだててあげたり、お母さんやお父さんもヘルメットを被って「同じだね~」と乗せてあげたりしながら、なんとかおとなしく被ってくれる方向に持って行きましょう!

最初に自転車に乗るときはヘルメットを被るものだ!としつけておくと後々も楽ですので、最初、嫌がっても「嫌がるからまた今度にして今日はとりあえずいいか。」とはしないようにしましょう!

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