自転車用チャイルドシートの選び方と主なブランド・商品ラインナップ

自転車用チャイルドシートを購入する場合の失敗しないための選び方のポイントや、主なブランドとその商品ラインナップを解説しています。

前乗せか、後ろ乗せの選び方は以下の記事で解説しています。

チャイルドシートは前乗せか、後ろ乗せか?
子ども乗せ用自転車の車種を選ぶ際に大きな基準となるポイントのひとつが、『チャイルドシートの位置と数』です。乗せる子供は1人なのか2人(になる...

チェックするポイント

安全規格は満たしているか?

子供用ヘルメットの安全基準と同じで、自転車のチャイルドシートには法律で必ず満たしていなければいけないという安全基準は定められていません。
一部都道府県の道路交通法施行細則において、国内の安全基準に適合していることが望ましいとされている場合もあります。

推奨する事項
・自転車及び幼児用座席は、国内の規格・基準に適合するものであることが望ましい。
千葉県道路交通法施行細則

ですが、安全性を考えるなら一般財団法人製品安全協会による厳しい検査をクリアした製品に付与されるSGマークを目安にするといいです。

参考:もっと詳しくSGマークはどんな検査をしているか知りたい場合は、以下URLにて、SG基準・検査マニュアルが公開されています。
分類7 自転車・自動車用品 SG基準・検査マニュアル

また、SG基準は国内専用の安全規格となるので欧米からの輸入品の場合はSGマークがない場合もあります。
その場合は、ヨーロッパなりアメリカなりの海外の安全基準を満たしていればOKです。

ヨーロッパの信頼できる安全基準には、EN 14344、TUV、GS、TNOなどがあります。

自転車に取り付け可能か?

自転車にはチャイルドシートを取り付けられる自転車と取り付けられない、取り付けてはいけない自転車があります。
リヤキャリア(自転車の後ろの荷台)に取り付けるタイプ(一番ベーシックな後ろ乗せチャイルドシート)の場合、最大積載質量が25kg以上の荷台にしかチャイルドシートを取り付けることはできません。

BAA基準を満たした子供乗せ自転車なら電動あり・なし問わず、前にも後ろにもチャイルドシートを取り付けることができるので特に心配は不要ですが、軽快車(ママチャリ)などに取り付けを検討している場合は要確認です。

取り付け位置

リアキャリア(後ろの荷台)

荷台に最大積載質量のシールが貼ってあります。

記載方法は、27kg、MAX25kg、C-27、CLASS25、クラス27など様々ですが、シールが見当たらないなど基準を満たしているか分からない場合は自転車の取扱説明書や購入店舗で聞くようにしましょう。

2010年5月にJIS規格が改正され、それまではクラス18、つまり最大積載質量が18kgとなっており、チャイルドシートが3kgだった場合、15kgの子供なら乗せることが可能でした。
JIS規格の改正後は、最大積載質量18kgのリアキャリアにはチャイルドシートを取り付けることができなくなりましたので注意しましょう。

クラス25kgでチャイルドシートが3kgだとすると、実際に乗せる子供の体重は22kgまでとなります。

ハンドル

ハンドル部分の前乗せチャイルドシートを取り付ける場合はチャイルドシートと子供の体重を合わせて15kgまでとなります。
チャイルドシートが3kgだとすると、子供の体重は12kg以下となります。

シートチューブ

シートチューブとは、サドルの下から地面に向かって伸びているフレームのことです。

ハマックスなどデザイン性の高さから人気の海外輸入品のチャイルドシートなどに多く見られる取り付け位置で、シートチューブの強度や形状をよく調べてから取り付けないときちんと取り付けできなかったり、取り付けても安全性に問題があったりと少々、難易度が高い取り付け位置です。

あまり詳しくないけどシートチューブの取り付けるタイプのチャイルドシートがいい!という場合は、必ずシートチューブへの取り付けに慣れた自転車店でお願いするようにしましょう。
店によってはシートチューブに取り付けるために特別に強化したネジ等を使い安全に取り付けてくれる店もあります。

その他の取り付け条件

タイヤサイズが24インチ以上

JIS規格によってタイヤサイズが22インチ以下の小径車へのチャイルドシートへの取り付けは強度不足の問題で禁止されています。
しかし、BAAを満たした子供乗せ専用自転車なら20インチの小径車でも取り付け可能です。

両立スタンドが付いていること

片足スタンドだと自転車を駐輪したときに片方に傾くので自転車を止めた状態で子供の乗せ降ろしができません。
数千円で付け替え可能です。

ヘッドレストは必須

チャイルドシートの背もたれは、子供の背中から肩くらいまでの高さのタイプと、頭まですっぽりもたれられるヘッドレスト付きのタイプがあります。

子供乗せ自転車に2人子供を乗せる場合は必ずヘッドレスト付きのタイプを使用しなければなりません。

でなくても、重たいヘルメットを被って発進、加速、減速、カーブなどで子供は揺られますので、ヘッドレスト付きのタイプの方が不用意に子供の頭がふらふらせずに安心です。

ヘッドガード

ヘッドレストにはサイドまで覆うヘッドガードが付いているタイプもあり、ヘッドガード付きの方が万が一、転倒した際にも子供の頭や顔が地面に激突するのを防いでくれます。
普段は子供が自転車に乗って寝るときに少しもたれることができます。

のハズなんですが、実際のところは転倒したときには地面に激突しちゃうようです。
(ヘルメット必須!)

子供が寝てしまったときも背もたれの角度がそんなに寝ていないので、子供は前に倒れながら横いくのでヘッドレストにもたれて寝てくれないパターンが多いです^^;

ま、ないよりはある方が安心ってことで・・・。

高さ調節機能

ヘッドレストには高さ調節機能が付いているタイプと付いていないタイプがあります。
これは断然、調整できる方がいいです。
前乗せはともかく、後ろ乗せチャイルドシートは2~3歳くらいから小学校入学前まで3~4年使います。
その間に子供はぐんぐん大きくなるので子供の成長に合わせて背もたれの高さを調節できた方が助かります。

リクライニング機能

チャイルドシートの背もたれの角度を調節できるリクライニング機能ですが、後ろ乗せの場合日本製のチャイルドシートにはリクライニング機能がついているタイプは残念ながらありません。(※子供を乗せないときに足が当たらないようにたためるタイプはある。)

海外ブランドの一部製品には後ろ乗せでもリクライニング機能がついていて背もたれの角度を調整できるタイプもあります。

前乗せシートの場合は、日本製のチャイルドシートにも背もたれを調整できるタイプもあります。

ステップ(フットレスト、足のせ)の高さ調節

子供が座っているときに足を載せる場所をフットレストとか足のせとかステップとかと呼びます。
フットレストの高さを調節できた方が子供も座りやすくていいですね。

子供乗せタイプの自転車なら子供の足を後輪に巻き込まないようにフットガードが付いていますが、普通のママチャリなんかに取り付ける場合は、チャイルドシート自体にもフットガード機能がありますが、別売りのフットガード(ドレスガード)を購入し取り付けた方がいいです。

シートベルト(安全ベルト)

最近は5点式シートベルトが主流

一般的にシートベルトには2点式から6点式までのタイプがあります。
飛行機なんかで使う腰ベルトは2点式、自動車の片方の肩と腰ベルトが組み合わさったタイプが3点式、両肩から両腰までをホールドするタイプが4点式、さらに加えて股下からもホールドして5点式、さらに股下ベルトが2本になって6点式です。
6点式まで行くと自動車のレースなんかで使われるタイプになります。

自転車のチャイルドシートのシートベルトは3点式~5点式くらいの製品が多く、日本メーカーの多くは最近はより安全性を重視した5点式が主流になってきています。
両肩、両腰、股下から出ているベルトを子供の下腹あたりでカチッと留めるタイプですね。

5点式だと子供が眠ってしまっても前のめりに倒れにくいというメリットもあります。

子供が自分で外せないバックルを選ぶ

バックルの留めやすさ、外しやすさは子供の乗せ降ろしのスムーズさに比例します。
簡単に外せるタイプだと、バックルを子供がいじくって自分でボタンを押してしまいシートベルトを外してしまう可能性があります。

チャイルドシートなんだからそこらへんは考慮して作ってあるんじゃないの?と思いきや、案外子供でも簡単に外せてしまうバックルのシートベルトも多いので、子供がいじくっても自分では外しにくいタイプを選びましょう。

その他のポイント

値段

自転車チャイルドシートは、だいたい1万円台後半、15,000円~20,000円弱程度となっています。

耐久性・使える期間

前乗せの場合は1歳~2、3歳くらいまでですが、後ろ乗せの場合は5、6歳まで乗せることができるので、けっこう長く使うことになります。
日本メーカーの場合、フロントシートは1歳~4歳まで(体重8kg~15kg以下)、リアシートが1歳以上6歳未満(体重8kg~22kg以下)が基準となっていますが、ハマックスのhamax kissやボバイクのマキシしシティなど9ヶ月~6歳まで(22kg以下)まで使えるというタイプもあります。

チャイルドシートには、軽くてさびないプラスチック製と重くてさびるが丈夫で安いスチール製がありますが。最近のものはほとんどプラスチック製ですので耐久性は一緒くらいです。

荷物ガードがついていて子供が乗らないときは荷物カゴになると便利

子供が乗らないときには買い物かごとして使えると地味に便利です。

また、Hamax Kiss(ハマックスキス)などシートチューブに取り付けるタイプの海外製のチャイルドシートは簡単に取り外しができるので、子供が乗らないときには取り外して自転車に乗るということもできます。

主なメーカー、ブランド

自転車用チャイルドシートのメーカーは大きく分けると、OGKとブリジストンの国内メーカーと、それ以外の海外メーカーとなります。
ヤマハ、パナソニックからもメーカー純正のチャイルドシートとして販売されていますが、OGKからのOEM製品となっていますので、国内大手メーカーだと、実質OGKかブリジストンの2択となります。

ちなみに子供乗せの3人乗り自転車に子供を2人乗せる場合は、メーカー指定のチャイルドシートを取り付けることが道交法で義務化されていますので、BAA基準の子供乗せ自転車に海外メーカー等のメーカー指定外のチャイルドシートを取り付けて子供を2人乗せることはできません。(1人ならOK)

道交法にて明確に禁止されているわけでないので少し修正しました。コメント欄参照

メーカ-指定外のチャイルドシートを取り付けると幼児2人同乗基準適合車の要件を満たせなくなり、BAA基準の子供乗せ自転車に海外メーカー等の指定外のチャイルドシートを取り付けて子供を2人乗せると道交法違反となる可能性があります。(1人ならOK)

国内ブランド

OGK

自転車用品の国内トップブランド。
ヤマハ、パナソニックの標準搭載・メーカー指定のチャイルドシートはOGKのOEM製品となっています。

ヤマハの場合、ヤマハオリジナルカラーというヤマハだけのカラータイプとOGKオリジナルカラーという色違いタイプがありますが、どちらもOGK製です。

パナソニックの場合、特にOGK製ということは明記されていませんがモノはほぼ同じです。
専用の補強金具が付いていたりします。

参考ページ

ブリジストン

ブリジストンは自社でチャイルドシートを製造しておりメーカー純正品として販売しています。
ブリジストンのチャイルドシートラインナップは下記となっています。

ルラビーデラックス(フロント用)

ルラビーデラックス(フロント用)

ルラビーデラックス2(リヤ用)

ルラビーデラックス2(リヤ用)

RCS-S1(リヤ用)

RCS-S1(リヤ用)

HYDEE.II(ハイディーツー)専用リヤチャイルドシートセット

HYDEE.II(ハイディーツー)専用リヤチャイルドシートセット

HYDEE.II(ハイディーツー)専用フロントチャイルドシート

HYDEE.II(ハイディーツー)専用フロントチャイルドシート

海外ブランド

hamax(ハマックス)

ノルウェーのチャイルドシートブランド。
世界中で人気のブランドで、おしゃれな北欧デザインで日本での人気も高いです。

Yepp イエップ

クロックスと似た素材で作っているクッション性の高いシートが人気のオランダのブランドです。

Bobike(ボバイク)

ヨーロッパシェアナンバーワンのオランダ発のブランドです。
オランダ王室御用達だとか。

Polisport(ポリスポート)

ヨーロッパで人気の高いポルトガルのブランドです。

TPEAK(トピーク)

金属製で背もたれの低いチャイルドシートが主流だった日本国内市場に、ハイバック式(ヘッドレスト付き)のチャイルドシートを最初に投入したブランドです。
その後、日本でもヘッドレスト付きのチャイルドシートがSG規格で定められるようになりました。

WEERIDE(ウィライド)

オーストラリアのチャイルドシートブランド。
トップチューブに取り付ける前乗せタイプでMTB(マウンテンバイク)などに取り付けてアクティブに走りたい人に人気のブランドです。

補足)トップチューブとは前輪につながっているヘッドチューブとシートにつながっているシートチューブをつなげているチューブのことです。

iBert(アイバート)

人目見ればすぐに分かる特徴的なフォルムとカラーが人気のアメリカのブランドです。

OKBABY(オーケーベイビー)

イタリアのブランドです。

TIPP(ティップ)

オランダのブランドです。

Qibbel(キュベル)

オランダのブランドです。

取り付けは自分でできる?

チャイルドシートの取り付けは自転車店で購入すれば無料で取り付けしてくれるお店もあれば、取り付け手数料がかかる店もあります。

またネット通販で購入した場合、説明書を見ながら自分で取り付けをするか、最寄りの自転車店へお願いすることになります。
自転車店へお願いする場合の取り付け手数料は店によってマチマチで、500円~3,000円くらいの幅があるようです。

お店によっては自店購入商品以外の取り付けはお断りという店もあるので、ネット通販で購入してお店に取り付けをお願いする予定の場合、事前に取り付けをしてくれるお店が近所にあるかどうかを確認しておきましょう。

自分で組み立てる場合は、30分~1時間弱くらいで組み立ても可能ですが、こういうDIY的なことが苦手な方は素直にプロにお願いした方が無難です。

まとめ

以上、自転車用チャイルドシートの選び方と主なブランド・商品ラインナップでした。

アンジェリーノやPASシリーズ、ギュットシリーズ、ふらっかーずシリーズなど子供乗せ電動自転車に乗っている方が一番カンタンで確実なのはメーカー指定・純正の製品を選ぶことです。

選択肢が少ないのであまりときめかないかもですが、安全性の面からもそれが確実です。

普通のママチャリ・シティサイクル(軽快車)やMTB、クロスバイクなどに取り付けたい方や、もっとかわいい・デザイン性の高いチャイルドシートがいい!という場合は、海外製も候補に出てくるといった感じですね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. 木村麻美 より:

    はじめまして。
    BAAマークと幼児2人同乗認証マーク付きの自転車に純正以外のチャイルドシートを取り付けてもいいのかについて調べていてこのページを見させていただきました。

    すみません、そこでチャイルドシートのことで質問なのですが記事中に
    ”ちなみに子供乗せの3人乗り自転車に子供を2人乗せる場合は、メーカー指定のチャイルドシートを取り付けることが道交法で義務化されていますので、BAA基準の子供乗せ自転車に海外メーカー等のメーカー指定外のチャイルドシートを取り付けて子供を2人乗せることはできません。(1人ならOK)”
    と書かれています。

    道路交通法を確認してみても、チャイルドシートのことが書かれていなかったのですが、
    この箇所について引用された、法律や基準について記載があるページなどございましたら教えていただけますでしょうか。

    • よしたけ より:

      木村麻美さま

      はじめまして。
      コメントありがとうございます。

      当サイトに記載の内容について混乱を招いてしまい申し訳ございません。
      ご指定箇所について再調査したところ、記載内容について誤りがありましたのでお詫びさせていただき、以下に説明及び訂正させていただきます。

      『子供乗せの3人乗り自転車に子供を2人乗せる場合は、メーカー指定のチャイルドシートを取り付けることが道交法で義務化されています』の点ですが、おっしゃる通りメーカー指定のチャイルドシートを使うことは道交法で明確に義務化はされておりませんでした。

      ではなぜそのように誤解してしまったかと申しますと、
      BAAの検査機関である(財)自転車産業振興協会が公開している「幼児2人同乗用自転車に求められる要件について(PDF)」という資料の中で、「試験等は指定された幼児座席を取り付けた状態で実施することとする」との記載があります。

      この点を
      「指定のチャイルドシートをつけていないとBAA検査の要件を満たさない」

      「つまり指定外のチャイルドシートをつけていると幼児2人同乗基準適合車とは言えない」

      「幼児2人同乗基準適合車以外の自転車に幼児2人を乗せることは道交法で禁止されている」
      と解釈し、「道交法で義務化されています」との記載に至りました。

      ブリジストンの「幼児2人同乗用自転車適合チャイルドシート指定説明書」においても「指定外のチャイルドシートでは、幼児2人同乗基準が適合しなくなります。」との記載があります。

      しかしながら、道交法内で「メーカー指定のチャイルドシートを使うこと」との記載はありませんので、「道交法で義務化されています」という記載はいきすぎた表現であったと反省しお詫びして記事を訂正させていただきます。
      申し訳ございませんでした。

      以上で回答になっておりますでしょうか?

      まとめますと、
      ・メーカー指定外のチャイルドシートを取り付けるとBAAの基準を満たせなくなる。
      ・ただそれによって現実的に道交法違反となるかどうかはちょっと分からない。
      というのが現時点での私の解釈です。

      また法律以外だと、万が一、事故等を起こした場合、指定外のチャイルドシートをつけていると保険会社から支払い拒否される可能性があるという情報もあります。
      ただこれに関してはケースバイケースなので実際のところは分かりません。

      どちらにしてもお子さんの安全を第一に考えていただいて、信頼できる自転車屋さんによく相談されてください。

      このたびはありがとうございました!
      また何かありましたらご連絡くださいませ。