赤ちゃんと飛行機に乗るときの座席の選び方、予約の仕方

赤ちゃんと飛行機に乗る場合、どのような座席を指定すればいいのか、おすすめの座席の取り方や選び方のポイントなどを解説しています。

選ぶポイント

バシネットはありか?なしか?

バシネットとは、飛行機内に取り付けできる乳児用の簡易ベッドのことです。

AANAファミリーらくのりサービス [国際線]より引用
AANAファミリーらくのりサービス [国際線]より引用

こんな感じでスクリーン前の席の壁面にフック等で引っかけて設置します。
バシネットは通常、ギャレー(CAさんが食事の準備とかをしているスペース)の近くのスクリーンなどがあるバルクヘッド席(前方に席がなく壁になっている席)になります。
参考)航空会社別バシネットの有無、サイズ、赤ちゃんの体重などの規定まとめ

赤ちゃんがバシネットでゆったり寝てくれるなら迷うことなくバシネットのある席がベストなのですが、中にはバシネットを気に入ってくれず結局、離陸から着陸までずっと抱っこしていた・・・というママさんもいます。

でもまあ、とりあえずバシネットの席にしておけばいいんじゃない?と思うかもですが、バシネットの席にはそれなりにデメリットがあるのですね。

バシネット席のデメリット

肘掛けが上がらない

スクリーン前のバシネットが使える席は肘掛けが固定されていてあげることができません。
ですので隣の席が空いていても赤ちゃんを横向きに寝かせることができません。

大人が2人いれば2人の膝の上に横向きに寝かせたり、2人の間に座らせるなんて手もありますが、バシネット席だと肘掛けが上がらないのでそれもできないです。

バシネットに寝かせるか、抱っこするかの2択となるわけです。

素直にバシネットで寝てくれる子ならいいですが、そうでない場合、肘掛けの上がらない席でひたすら抱っこという地獄を見ることになります。

ちなみになぜ肘掛けが上がらず固定されているかというと、通常の席だと食事用のテーブルやテレビモニターなどが前方の席の背もたれに設置されていますが、バシネット席の場合、前方の席がないので、肘掛け部分に収納されていて取り出す感じになっています。
なので、肘掛けは可動できず固定されているのです。

荷物を座席下に置けない

通常、機内持ち込みの手荷物は上部の棚に収納するか前方の席の下に入れてくださいと言われますよね。
でもバシネット席の場合、前方は壁なので前方に席はありません。
前方の床が広いのでそこに置けそうですが、床には安全のため荷物を置くことはできません。

そのため席の下に荷物を入れるということができず、基本、上部の収納棚に入れることとなります。
子供のおもちゃやおむつなど荷物が多くなる子連れ旅行ですが、いちいち棚から出し入れしないといけないのはかなり不便です。

ただし、隣の席が空いていればそこに荷物は置けますし、バシネットで子供が寝ていないときはバシネットにおいておくこともできます。

シートベルトサイン点灯中は抱っこしないといけない

離着陸時などのシートベルトサイン点灯中はバシネットを使うことができず、保護者が抱っこしないといけません。
離着陸時ならまだいいですが、安定飛行中などに気流の悪いところを通過するなどでシートベルトサインが点灯した場合、赤ちゃんがバシネットで熟睡していたとしても、抱っこしないといけません。

空いていて他に空席があれば移動して座席に赤ちゃんを寝かせるなんてこともできますが、満席等の場合はそうもいかないので、バシネットの席にするか、普通の席にするかはちょっと要検討なわけです。

まだ首がすわっていないような月齢の低い赤ちゃんの場合は、バシネットにした方がいいですが、ハイハイ、立っちやあんよなどができるような月齢になってくるとバシネットにするかどうかは迷いどころです。

前方の席か、後方の席か

バシネットを使う場合は座席がスクリーン前に限られてきますがそうでない場合、機内の前方の席がいいのか、後方の席がいいのかどちらでしょうか?

結論からいうと、後ろの方がオススメです。

前の席の方が機内に乗り込んでから座席が近いので早く座席に着けますし、降りるときも早く降りられるというメリットがありますが、他のお客さんも同じように考えますので、飛行機というものはだいたい前方の席から埋まっていきます。
(お客さんから特に座席指定がない場合も、地上スタッフさんは前方の席から埋めていくそうです。)

ですので、後方の方が空いているケースが多いんですね。

赤ちゃん連れの場合、どんなに気をつけても赤ちゃんが泣いてしまったりして、周囲のお客さんに気を遣う羽目になりますから、できるだけ周囲のお客さんが少なくて空いている方が余計な気苦労が少なくなります。

もちろんハイシーズンの人気路線などで満席の場合はあんまり関係ないですけどね^^;

また、後方の席は化粧室にも近いのでおむつ替えにも行きやすいですし、最後方にもCA(キャビンアテンダント)さんがいるので、余力があれば何かお手伝いをしてくれたりと助けてくれる場合もあります。
(機材によっては後方にトイレがない場合もあるので、どの機材かは事前に要確認です。)

また、機材にもよりますが、後方にはちょっとしたスペースがあり、抱っこしてあやして歩き回るときにも便利です。

後ろの席のデメリットは、搭乗してから席に辿り着くまでが遠いことと、降りるのが遅くなり入出国の審査の列も後方になってしまうという点です。

子連れの場合は優先搭乗ができますので、なるべく早めに機内に乗り込むことで比較的楽に席まで行けるかと思います。
もしくは他のお客さんがほとんど乗り込んだ後、一番最後に乗るかです。

着陸後、飛行機から降りるのが遅くなる点については、これはもう仕方ないです。
子連れ旅行は急がずスケジュールには余裕を持つことが重要です。
ゆっくり行きましょう。

子供用の座席を1席確保するか、膝の上で頑張るか

基本的に国内線なら3歳未満、国際線なら2歳未満は赤ちゃん用の座席の確保は不要です。
(料金は国内線は無料、国際線は幼児運賃として大人運賃の10%)

参考)赤ちゃんの航空券の料金はいくら?

ですが、小児運賃を支払えば座席を予約することも可能です。
国内線など比較的短時間のフライトなら座席なしで膝の上で抱っこするか、もしくはバシネットを予約することで十分ですが、国際線など長時間のフライトで、バシネットを確保できなかった場合やバシネットの規定サイズをオーバーして使えない場合、ずっと抱っこし続けるのは非常にツライので座席を1席確保してしまうのも手です。

ただし、小児運賃は国内線で大人運賃の50%、国際線だと75%となるので、なかなか高額となります。
さらに燃料サーチャージや税金なども追加でかかってきます。

かなりの追加負担となるので現実的にはそれもなかなか厳しいです・・・。

そこで、チェックインに早めに行き、隣の席をブロックしてもらうよう航空カウンターでお願いするという手もあります。
子連れに対して多くの航空会社はかなり融通を聞いてくれますので、満席などの場合は不可能ですが、それほど混み合っていない場合は横の席に他のお客さんを入れないようにブロックしてくれます。

そうすれば小児運賃を支払わずとも1席使えますので、シートベルトサインが点灯していないときは赤ちゃんを寝かしたり座らせていたり、色々な荷物を置いておいたりと便利です。

窓側がいい?通路側がいい?

フライト時間にも寄りますが、おむつ替えにトイレに行ったり、泣いたらあやすために抱っこして立ち上がったりと席から離れることも多いので、できれば通路側の方がベターです。

ただし、赤ちゃんを抱っこしているときに通路側に赤ちゃんの頭などがはみ出していると通路を歩いている人が気づかずに当たったりして危険ですので、通路側に赤ちゃんの頭を向けない方向に抱っこしたりして、通路に赤ちゃんがはみ出さないように注意しましょう。

母乳で授乳する必要がある場合は、窓側の方が隠しやすくていいんじゃないかと思われるかもですが、授乳ケープ等を使えば問題ないので、それよりも席への出入りのしやすさを重視した方がいいです。

不運にも窓際に座った隣の人が頻繁にトイレに行くような人だった場合、赤ちゃんを抱っこしたまま席を立って避けなければならず、赤ちゃんが寝ているときなどは超やっかいですが・・・^^;

座席指定・予約について

可能なら隣をブロックしてもらう

たとえば、大人2人、赤ちゃん1人で搭乗する場合で、座席が2-3-2の並びだったら、真ん中の3列の座席を指定して、余りの1席をブロックしてもらい他のお客さんが来ないようにしてもらいます。

大人1人で赤ちゃん1人なら、2-3-2の並びなら2列のシートを指定し、隣をブロックしてもらいます。

こうすればかなり余裕がでます。
満席だと厳しいですが、空席があるようなフライトだったらほぼ要望を聞いてくれますので、チェックインのときに聞いてみましょう。
ですので、チェックインには早めに行きましょう。

バシネットなどはTELでの事前予約が必要

バシネット、離乳食や幼児食、チャイルドミール、チャイルドシートのレンタルなどは事前に予約が必要ですので、航空会社に電話して予約しておく必要があります。

また、LCCなど航空会社によってはバシネットがなかったり、普通の航空会社でも路線や機材によってはバシネットがなかったりするので、事前に利用する航空会社に電話して確認するようにした方がいいです。

航空会社のシートマップをチェックする

航空会社のホームページでは「シートマップ」といって、ボーイング787-9(789)、ボーイング737-700(737)などの機種ごとの座席や化粧室などの配置を図で示してくれています。

例)ANA ボーイング777-300ER (77W)のシートマップ

これを見れば、どこの席がおむつ替え台のあるトイレに近いとかが分かります。
ネットで航空券を購入する場合も、このようなシートマップを見て座席指定をすることができるので、おむつ換え台のあるトイレに近い席を選ぶようにしたいです。
またギャレーにも近い方が近い方がCAさんに声を掛けやすいですし、気にも掛けてもらいやすいのでオススメです。

JAL、ANAの代表的な機種のシートマップは以下のページで見られます。
「航空会社名 シートマップ」で検索すれば他の航空会社のシートマップも見つかります。

JAL国内線シートマップ
JAL国際線シートマップ
ANA国内線シートマップ
ANA国際線シートマップ

まとめ

行き先はどこで、どれくらいのフライト時間なのか、大人は何人なのか、子供は何人で何歳なのか、夜便なのか昼便なのか、飛行機の機種など色々な条件によってもおすすめの座席は変わってきますが、バシネット席以外の基本的な選び方としては、

通路側で、できるだけ後方で、おむつ替え台のあるトイレに近い席がいいでしょう。

またバシネット席にするかどうかは、ねんね期や、ねんね期以降でも夜便やヨーロッパやアメリカ等の長距離線のフライト等で基本、寝てて欲しいときなんかはバシネットがいいかと思います。
タイミングがうまくいけばバシネットで寝ててもらって落ち着いて機内食を食べるなんてこともできるかもしれません。

また子供が起きているときも、バシネット席だと前方の床にスペースがあるので、毛布などを敷いて床で子供を遊ばせることもできる場合があります。
(※航空会社によっては床で遊ばせるのは安全上ダメだと注意される場合もあります。)

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